人生にはいくつもの岐路がある。学生時代には進学か就職か、社会人になれば転職か現状維持か、あるいは独立か安定志向か。人によっては、結婚、移住、起業といった、より大きな選択に直面することもあるだろう。そして、そのたびに「どちらが正解か」「どちらが損か得か」「失敗したらどうしよう」と、正解探しに頭を悩ませる。
けれども、人生にはそもそも「正解」が存在しないということを、どこかで気づいているはずだ。Aを選んでもBを選んでも、それぞれに喜びもあれば苦労もある。他人がどれだけ羨む道を歩んでいても、当人にとっては葛藤や孤独に満ちていることもある。つまり、結果をもって正否を判断することなどできない。だからこそ、選択の瞬間に自分がどう感じていたかが、何よりも大切なのである。
そのとき、私が信じている基準がある。それは「ワクワクする方を選ぶ」ということだ。
ワクワクとは、未来に対する期待感であり、自分の中にある好奇心の震えである。たとえ不安があっても、それを上回る何か面白そうな気配を感じる方向。失敗の可能性があっても、「やってみたい」と心の奥底で思える方向。それが、ワクワクする選択である。
無論、ワクワクの感情だけで全てを決めることが得策だとは言わない。生活の基盤、家族の事情、今の責任。現実的に考慮すべき要素も数多くある。しかし、最終的に自分が後悔しないために、判断の軸に据えるべきものがあるとすれば、それは「他人の意見」でも「過去の延長線上」でもなく、「今この瞬間の、自分の心のときめき」だと思う。
人はワクワクすることにエネルギーを注ぐとき、本来の力以上の成果を発揮する。逆に、義務感だけで進んだ道では、たとえ途中で成功したとしても、どこか物足りなさが残ってしまうことも多い。だからこそ、選択をするときに自分の感情に正直になることは、決して無責任ではなく、むしろ自分の人生に責任を持つということでもある。
人生は一度きりである。どうせなら、自分の心が高鳴る方へ、勇気をもって進んでみる方がいい。失敗したとしても、その選択をした自分に誇りが持てる。なぜならそれは、誰かに言われてではなく、自分自身の意思で選んだ道だからである。
ワクワクする方を選ぶ。それは、自分を信じるということに他ならない。そしてそれは、人生を豊かに生きるための最も確かなコンパスとなる。
