酢語録BLOG 2.0

それでもやっぱり言いたい放題

異動も転職も:人生のリスタートボタン

年度末になると、あちらこちらから異動や転職の話が聞こえてくる。春が近づくこの時期は、気持ちが浮き立つ反面、少しそわそわと落ち着かない気分にもなる。人の動きが多くなるこの季節、まさに“悲喜こもごも”という言葉がぴったりだ。

 

中には「おお、それはすごい!」と素直に拍手を送りたくなるような栄転の知らせもあれば、「えっ、あの人が?まさかの起業?」と驚きと尊敬が入り混じる独立の報告もある。長年同じ職場にいた人が、自分の道を切り拓こうとする姿は、やはり眩しいものがある。人生の新しいステージに立つその瞬間は、見る側にも何かしらの刺激をくれる。

 

とはいえ、すべてが希望に満ちた話ばかりではない。「思っていた部署じゃなかった…」とか、「まだ今の仕事を続けたかったのに…」なんて話も耳にする。環境が変わること自体がストレスになることもあるし、人事の異動にはドラマがつきものだ。納得いかないまま新しい部署に向かう人の背中には、少しの不安と、それでも前を向こうとする意思が同居している。

 

転職や異動は、自分自身を見つめ直すきっかけにもなる。「このままでいいのかな」とか、「本当は何がしたいんだろう」と考える時間が、意外と心の深いところに触れてくる。そうやって自分の道を模索することも、またひとつの“春”なのだろう。

 

そういえば、私自身も5年前に転職を経験した。しかも、それまでとはまったく違う業界に飛び込んだ。当時はちょうどコロナ禍の始まりで、世の中が大きく揺れていた時期だった。新しい環境、新しい人間関係、慣れない業務。正直、最初の半年は毎日が手探りで、慣れるというよりも「生き延びる」感覚だったように思う。

 

それでも、今こうして振り返ると、あの時に思い切って転職して本当によかったと思っている。新しい世界には新しい価値観があって、自分が思っていた以上に柔軟に変われることを知った。あの一歩がなければ、今の自分はいないし、この酢語録2.0もきっと書いていなかったはずだ。

 

変化には勇気が要るし、痛みも伴う。でもその先にしか見えない景色も、確実にある。だからこそ、この年度末、異動や転職に揺れる誰かがいたら、そっと背中を押したくなる。「きっと、大丈夫だよ」と。

 

年度末の風は、ちょっと冷たくて、でもどこか新しい始まりの匂いがする。変化に戸惑うこともあるけれど、その先にある何かを楽しみにできる自分でありたい。そんなふうに思いながら、今日もまた異動や転職の話を聞いている。