酢語録BLOG 2.0

それでもやっぱり言いたい放題

言葉の呪縛から自由になる方法

たった一つの言葉。それだけで人は落ち込む。だが、本当に落ち込んでいるのはその一回だけだろうか。よくよく考えると、私たちはその言葉を自分で何度も再生して、心の中で自分自身を損ねている。

 

誰かに気になる事を言われたら、それが心に当たると、何度も何度も思い出す。家に帰っても、床に入っても、朝起きたときも。あの一言を自分で再生して、大きな傷に変えてしまう。相手はおそらくたった一回言っただけだから、それを悪いとも思っていないかもしれない。けれど、こっちは100回くらい振り回して、気持ちをボロボロにしている。

 

人間の脳は、嬉しいことよりも、嫌なことのほうが記憶に残りやすい。これは心理学的にも証明されている。「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれる現象で、脳はポジティブな出来事よりもネガティブな出来事を強く記憶する傾向がある。これは進化の過程で危険を回避し、生存するために必要だったと考えられている。しかし、現代ではこのバイアスが私たちのメンタルヘルスに悪影響を及ぼすこともある。

 

よく考えてみると、相手が何度も似たような事を言ってるわけではなくて、頭の中で、何度も何度も「巻き戻しボタン」を押し、「再生ボタン」を押している。それを行っているのは紛れもない自分自身だったりする。不思議なことに、良い言葉はすぐ忘れるのに、悪い言葉だけ何度も思い出してしまう。これは、自分の思考のパターンが影響している。私たちは日々、自分の思考によって自分を作り上げている。ネガティブな言葉を何度も再生することで、自分の心に深い傷をつけてしまう。無意識のうちに「自分はダメなんだ」「あの人に嫌われたかもしれない」といった否定的な自己認識を強めてしまうのだ。

 

なら、どこかでその再生ボタンを止めてみる。悪い言葉が頭をよぎったら、意識的に別のことを考える。たとえば、誰かに言われた褒め言葉や、自分が成功した経験を思い出す。ネガティブな言葉ばかり繰り返していた脳に、ポジティブな刺激を与える。あるいは、頭の中でぐるぐる回るネガティブな言葉を書き出してみる。そして、それを客観的に眺めることで、「実はそんなに気にすることではない」と気づけることもある。過去の言葉を何度も反芻するのではなく、今の自分ができることに意識を向ける。深呼吸をする、ストレッチをする、好きな音楽を聴くなど、気持ちをリフレッシュさせる方法を取り入れるのも良い。信頼できる人に「こんなことを言われて落ち込んでる」と話すことで、気持ちが軽くなることもある。相手から客観的な意見をもらえることで、違う視点を持つことができる。また、「言葉に振り回されてしまうのは仕方がないこと」と認めたうえで、自分を責めずに優しく接することも大切だ。たとえば、「今日はよく頑張ったな」と自分を励ます言葉をかけてみるだけでも、気持ちは変わる。

 

ひとつの言葉に振り回されるのも、それを何度も再生してしまうのも、自分自身の反射である。それなら、少しずつ自分の考え方をシフトして、再生ボタンを押すのを止めてみる。最初は難しいかもしれないが、意識的に取り組むことで、徐々にネガティブな言葉に支配されなくなっていく。「言葉の呪縛」から自由になることは、単にネガティブな言葉を忘れることではない。それよりも、「どう受け取るか」「どう向き合うか」を自分で選ぶことが重要なのだ。心の中で自分自身を傷つけるくらいなら、自分の良い側にフォーカスを寄せていきたい。結局、自分を大切にできるのは、自分自身しかいないのだから。