昨日はペニシリンの日だった。
ペニシリンと聞いて、何を思い浮かべるだろうか。医療関係者なら「最初の抗生物質」という言葉がすぐに頭に浮かぶ。アレクサンダー・フレミングが1928年に発見し、感染症治療に革命をもたらしたペニシリン。これがなければ、多くの人が命を落としていただろうし、今の医療はまったく違うものになっていたはずだ。
でも、ペニシリンの話をするとき、いつも思うのは「偶然の発見」についてである。フレミングは、実験で使ったシャーレを放置していた。するとそこに青カビが生えていて、周囲の細菌が消えていた。普通なら「汚染された」と思って捨ててしまいそうなものだが、フレミングはそこに着目した。この視点の鋭さこそが、科学の進歩を支えているのだと思う。
こういう話を聞くと、つい「何か新しい発見をしたい!」という気持ちになる。とはいえ、日常の中で青カビが生えた食パンを見ても、フレミングのようなひらめきはなかなか得られない。むしろ「やっちゃったな…」と肩を落とすのが関の山だ。
でも、ペニシリンの話を知っているだけで、ものの見方は少し変わるかもしれない。「これはただの失敗じゃなくて、何かのヒントかもしれない」と思えるだけで、目の前の世界がちょっと違って見えてくる。ペニシリンが生まれたのも、そんな視点の力があったからこそだろう。
昨日はペニシリンの日だった。でも、今日も何かの「発見」があるかもしれない。そんなことを思いながら、ふと机の上に放置されたコーヒーカップを見る。…これはただの飲みかけのコーヒーだけど、何か新しいひらめきが生まれたりしないだろうか。
とりあえず、コーヒーをこぼさないようにだけはしなければ…

