人は時として、心とは裏腹な行動や態度を取ることがある。たとえば、嬉しいのに素直に喜べなかったり、悲しいのに笑顔を浮かべてしまったり。これには理由があるのか、あるいはただの癖なのか。
たとえば、明らかに困った状況なのに「大丈夫」と笑顔で言ってしまうとか、本音では「助けてほしい」と思っているのに口を閉ざしてしまうとか。もしかしたら、そんなふうに無意識に本心を隠すことが、自己防衛本能の一部なのかもしれない。
好きなのに避けてしまうという行動もある。好きな人を前にすると、なぜか目を合わせられなかったり、冷たく接してしまったり。その場ではどうしても素直になれないことがある。自分の気持ちが知られるのが怖いのか、相手にどう思われるかを気にしすぎているのか。そのほか様々な感情の複雑さが詰まっていたりもする。
もちろん、裏腹な行動がいつも悪いわけではない。むしろそれが社会で生きる上での潤滑油になることも多い。たとえば、仕事での「笑顔の接客」。疲れていても、悩みがあっても、笑顔で対応するのがプロとしての責任であり、その場の空気を良くするための必要な振る舞いだと理解している。それでも、心と行動がずれるたびに、ほんの少しだけ自分の中に違和感が残る。
では、なぜ人はこんなに心と行動が一致しない生き物なのだろうか。答えはたぶん、「矛盾を抱える存在」だからではなかろうか。正直でありたいと思う一方で、周囲の期待や空気を読む力も求められる。自分の本音を守ることも大事だが、人間関係の中で調和を図るために自分を抑えることも避けられない。
結局のところ、心と行動が一致しない瞬間があるからこそ、私たちは人間らしくいられるのだと思う。その裏腹さに悩むことすら、人の感情や考えの豊かさを表している。
心と行動がずれたとき、少し立ち止まってみる。そのズレが何を意味するのか、そこにどんな自分の気持ちが隠れているのかを見つめることで、自分自身をもう少し深く知れるかもしれない。
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