人間は基本的に、自分が理解できる範囲のことしか理解することができない。しかし、それでは新たな知識や視点を獲得することは難しい。では、どうすれば理解できないものを理解し、自分のものとして取り入れることができるのだろうか。
そのために重要なのは、自ら積極的に行動を起こすことである。相手の話を理解しようとするとき、自分の理解の範囲内で仮説を立て、その仮説を相手にぶつけてみることが必要になる。たいていの場合、その仮説は相手の意図とは異なっている。しかし、相手からのフィードバックを得ることで、自分の仮説と相手の言葉との距離を測ることができる。その距離を埋めるために仮説を修正し、再び相手に確認する。このプロセスを繰り返すことで、相手の意図に徐々に近づき、最終的に理解が成立するのである。
ここで重要なのは、間違いを恐れずに自分の考えを外に出すことである。自分の「間違った理解」を表明することで初めて相手との認識のズレが明らかになり、そのズレを修正する中で新しい知識が得られる。自分の誤解を素直に認め、その誤解を糧に前進することが、新たな理解を得るための唯一の道である。
この方法は、人との会話や議論に限らず、世界の理解や新しいイノベーションの実現にも応用できる。未知のものに仮説を立てて積極的に挑み、その結果得られるフィードバックを手がかりに、自分の外にあるものを少しずつ自分の内側へと引き寄せていく努力が求められる。
人は、自分が理解できる範囲のことしか理解できないという限界を持つ。しかし、その限界を乗り越え、理解できないものを理解するためには、仮説を立てて行動し、間違いを恐れずに挑戦し続けることが必要である。この過程こそが、まだ手に入れていないものを手に入れる唯一の方法であると言える。
