人生論
他人の心の内面は他人の課題であって、こちらが必要以上に気にすべきものではない、という考え方がようやく腑に落ちてきた。頭では理解していても、日常の中ではどうしても相手の表情や言葉の端々に反応し、何か自分が悪いのではないかと余計に考え込んでし…
「怒りは二次的感情」であるというのは、心理学の世界ではよく知られた考え方である。つまり、怒りという感情は、最初に生じた「一次的感情」を覆い隠すようにして現れる、いわば“防衛のベール”のようなものだということだ。一次的感情とは、恐れ、不安、悲…
人間関係の中で、ふと自分でも理解できない行動をとってしまうことがある。たとえば「本当は好きなのに、なぜか冷たくしてしまった」「仲良くしたいのに、つい悪口を言ってしまった」「落ち込んでいるのに、無理に明るく振る舞ってしまう」。そんな自分にあ…
大阪・関西万博が閉幕した。終わってみれば、会場を彩った赤と青の不思議なキャラクター「ミャクミャク」は、まさにこのイベントの象徴となった。思い返せば、初めてその姿を目にしたときの衝撃はいまも鮮明に覚えている。どこか不気味で、奇妙な造形。正直…
人は生きていくうちに、いくつもの感情を心に刻んでいく。嬉しいことも、悲しいことも、忘れたと思っていた出来事でさえ、ふとした瞬間に蘇る。特に、どうしても消せない気持ちというものがある。時間が経っても色褪せず、まるで心の奥のほうに静かに沈んで…
人間とは、つくづく欲深い生き物である。手に入れた瞬間は満たされたように感じても、やがて慣れ、さらに上を求めてしまう。もっと良い家がほしい、もう少し給料を上げたい、周囲から認められたい。そうやって終わりのない階段を上り続けるうちに、私たちは…
「手放す論理」という言葉には、どこか哲学的な響きがある。私たちは生きていく中で、知らず知らずのうちに多くのものを抱え込んでいる。物質的な所有物に始まり、人との関係、社会的な役割、さらには自分の評価やプライドに至るまで。これらは一見すると自…
日々を生きていると、自分の感情がまるで振り子のように揺れていることに気づく瞬間がある。嬉しいと感じたかと思えば、すぐに不安が押し寄せる。希望が芽生えた直後に、落ち込むような出来事が起こる。感情とは一定ではなく、揺れ動くものだと頭ではわかっ…
感情の棚卸し、という言葉を最近あらためて考えることがある。普段、私たちは仕事や生活に追われて、怒りや喜び、不安や安心といった感情を流れるままに扱っている。日常はまるで次々と届く荷物を開封しては脇に積んでいく倉庫のようなものだ。ときに必要な…
誰かが笑っているのを見て、「あれ、自分のことを笑ってるのかな」と思った経験はないだろうか。あるいは、上司に呼び止められて「何か失敗しただろうか」と胸がざわついたことはないだろうか。これらは典型的な「自己標的バイアス」と呼ばれる現象である。…
日常を過ごすなかで、私たちは「真剣に考える」と「深刻になる」とをよく混同してしまう。どちらも似ているように見えるが、その意味は大きく異なる。真剣に考えるとは、自分の行動や選択を冷静に見つめ直すことだ。一方で深刻になるとは、必要以上に自分を…
私たちは時々、忘れてしまうことがある。 それは、世界は自分のために動いてくれるものではない、ということだ。頭ではわかっているのに、心がついていかない瞬間がある。仕事で理不尽さを感じたとき、人間関係で思うようにいかないとき、つい「環境のせいだ…
気持ちを整理しようとするとき、つい「こうあるべき」と自分を追い込んでしまうことがある。しかし、感情との向き合い方に少し視点を変えるだけで、心はずいぶん軽くなるものである。私自身、日々揺れる気持ちをどう扱えばよいのかと考えながら過ごしている…
人生には、尽きることのない悩みがある。人間関係の軋轢、仕事の不安、健康への心配、将来への漠然とした不安。列挙しようと思えば、いくらでも挙げることができる。ときに「宝くじが当たれば八割方の悩みは解消できるのではないか」と夢想する瞬間もある。…
「水に流す」という言葉は、長い歴史の中で日本人の生活感覚に根付いてきたものである。川の水が絶えず流れ、汚れや不要なものを押し流していくように、人の心に生じたわだかまりや過去のしこりを、過度に抱え込まずに解き放つ態度を指している。これは単な…
自己肯定感という言葉を耳にする機会は年々増えている。子育てや教育の場面だけでなく、ビジネス書や自己啓発の分野でも盛んに取り上げられている。だが、改めて考えてみると、その意味を誤解していることも少なくない。 自己肯定感とは、「自分は人より優れ…
人と人との関係の中には、あえて言葉にしないことで守られている時間がある。お互いが「いつもの調子を取り戻そう」とするその瞬間、表には出さない感情が静かに交錯し、無言のうちに尊重し合っていることを実感するのである。言葉にすれば伝わりやすいこと…
人は生きている限り、立ち止まることもあれば、後ろを振り返ることもある。過去を思い返すことは決して無駄ではなく、むしろ大切な時間である。しかし、いつまでもそこにとどまっていては、前に進む力を失ってしまう。だからこそ「前を向いて歩く」というこ…
自信を持って生きることは、人生を力強く歩むために欠かせない要素である。人は誰しも迷いや不安を抱えながら日々を過ごしているが、その揺らぎを支えるのが自信である。自信が無ければ、ちょっとした周囲の言葉や状況の変化に心を乱され、方向性を見失って…
人はなぜ、同じことを何度も繰り返してしまうのか。それは「未消化の感情」が心の奥に滞り続けるからである。多くの人は、嫌な出来事やつらい経験をしたとき、「時間が解決してくれる」と信じる。確かに時間の経過によって感情の熱は一時的に弱まり、日常生…
マイナス思考に陥る大きな原因の一つは、間違いなく「考え過ぎ」である。物事を深く検討することは一見、慎重で賢明な行動に思える。しかし、度を越えれば、それは自らの心を追い詰める罠となる。過去の出来事を繰り返し思い出し、「あの時ああすればよかっ…
「もっと分かり合いたい」と願う気持ちは、誰しもが持つ自然な感情である。人と関わり合う中で、誤解やすれ違いを解消しようと努めることは尊い。ただし、すべての関係が「理解し合うこと」を前提に成り立つわけではない。実際には、いくら丁寧に説明を重ね…
以前にこんな事を書いた。 tamtown.hateblo.jp その続きを書く。 「ジャッジしない」という姿勢を意識していても、実際の生活の中では、つい感情が先走ってしまう場面がある。例えば、コンビニのレジで無愛想な店員に対応されたとき。あるいは、SNSで自分の…
忙しさに追われる日々が続くと、心と体のバランスが崩れがちになる。目の前の仕事に没頭し、次々とこなしていくうちに、自分がどれほど疲れているかに気づかないこともある。体がだるい、頭が重い、食欲がない。そうした身体的なサインと同時に、心の余裕も…
先日、テレビ番組で井森美幸さんの発した一言が、深く胸に残った。 topics.smt.docomo.ne.jp 「気がついたらよ、“寝て起きて”を繰り返したら40年経ってた」「気がついたら…。だってここにたどり着こうと思ってやってなかったんだから」 芸能界という厳しい世…
言葉にするという行為は、人間に与えられた特別な能力のひとつである。何をどう考え、どんな思いを抱いているのか。言葉にしなければ、相手には伝わらない。たとえそれが、どれほど切実な願いや、深い愛情だったとしても、沈黙のままではただの「ないもの」…
根拠のない自信。理屈の通らない自信。世の中には、それをあたかも悪いもののように捉える風潮がある。「自信を持つには根拠が必要」「準備が整ってから動くべき」といった考え方は、とてもまっとうで、安全でもある。だが、私はむしろ、根拠のない自信こそ…
「陰口を言われても嫌われても、あなたが気にすることはない。相手があなたをどう感じるかは相手の課題なのだから」 心理学者アルフレッド・アドラーの言葉である。この言葉を繰り返し思い出すたびに、私たちがいかに「他人の目」に縛られがちかを痛感する。…
誰にでも覚えがあるはずだ。静かな時間、気が抜けた瞬間、あるいはまったく関係のない日常の中で、ふとよみがえる過去の出来事。その中でも特に強く心を揺さぶるのが、「怒り」の記憶である。数年前のあの一言。納得のいかなかったあのやり取り。理不尽な仕…
人と人との関係において、すれ違いは避けがたい。とりわけ、それが「認識の違い」から生まれるものであれば、なおさら厄介である。同じ出来事を目の前にしても、受け止め方は人それぞれであり、背景や価値観、経験が異なれば、そこにズレが生じるのは当然の…