酢語録BLOG 2.0

それでもやっぱり言いたい放題

エッセイ

非合理の美学としてのコーラ

人間の嗜好というものは、実に不思議である。健康を意識し、日頃から水やお茶を選ぶ生活を送っていても、ある瞬間、理屈を飛び越えて強烈に求めてしまうものがある。それが、私にとっては「コーラ」である。 炭酸の刺激、深く甘い香り、そしてあの独特な風味…

副産物という名のギフト

薬の開発の歴史には、数多くの偶然と発見が織り込まれている。その中でも興味深いのが、ミノキシジルのエピソードである。ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発された。血管拡張作用があり、血圧を下げる目的で投与されたが、治療中の患者に「体…

心を旅へ誘う声――30年越しの『ジェットストリーム』

仕事で動画のナレーションを担当することになり、ふと思い出したのが、城達也さんである。私が学生時代、ラジオからよく耳にした声だ。六畳一間の下宿で、疲れた体を横たえ、何気なくつけたラジオから流れてきた彼の声は、静かに、しかし確かに、心に沁みた…

礼節は損得を越えて

ときどきSNSなんかで話題となる話で、「レストランで『ごちそうさま』と言うのはおかしいのではないか」というものがある。理由としてよく挙げられるのは、「お金を払ってサービスを受けているのだから、感謝の言葉をかける必要はない」という考え方だ。確か…

「4月1日は早生まれ」は何故なのか?

同じ年に生まれた人の中で入学や進級が早くなるいわゆる「早生まれ」は、1月1日から4月1日までの誕生日の人を指す。なぜ4月1日は早生まれなのか?ここから法律の話。 newsdig.tbs.co.jp 年齢は誕生日に加算されるもの。私たちは自然とそう受け止めている。し…

春の光と、静かな余白

春の光がカーテン越しに差し込み、部屋の空気をやわらかく照らしている。椅子に体を預け、手にしたスマートフォンの画面を開いた。無意識にカレンダーアプリをタップし、来週からの予定を確認する。 春の光と、静かな余白 びっしりと埋まったスケジュールに…

春の扉が開くとき――入学式に寄せて

4月は入学式のシーズンである。桜が咲き誇るなか、新しい制服やスーツに身を包んだ若者たちの姿が街にあふれ、春の光景にひときわの初々しさを添えている。真新しい鞄、少し大きめのジャケット、まだ履き慣れない靴。それぞれが期待と緊張の入り混じった面持…

4月1日、世界が少しだけやさしくなる日

4月1日――この日になると、ニュースサイトやSNSがにわかに賑やかになる。「空飛ぶ自動車、ついに販売開始」「動物と話せる翻訳アプリが登場」「ネコ専用の温泉地オープン」など、明らかに現実とは思えない情報が堂々と流れ、見る人々の笑いを誘う。これらはい…

未知への一歩は、好奇心の背中押し

先日、ある勉強会に参加した際、印象的な出会いがあった。発表者として登壇していた数名の大学生たちが、とても堂々とした態度で、自分の意見や考えを明快に語っていたのだ。会場には社会人も多く参加していたが、彼らの立ち振る舞いや話しぶりは、むしろ大…

飲めるか飲めないかじゃない――飲み会から始まるキャリア論

私はわりとお酒が好きなほうだ。ビールもワインも日本酒も焼酎もいける。だから、飲み会にはだいたい顔を出す。職場の懇親会はもちろん、勉強会や研修会のあとの飲み会にも高確率で参加している。というか、正直に言えば、研修より飲み会が本命だったりもす…

異動も転職も:人生のリスタートボタン

年度末になると、あちらこちらから異動や転職の話が聞こえてくる。春が近づくこの時期は、気持ちが浮き立つ反面、少しそわそわと落ち着かない気分にもなる。人の動きが多くなるこの季節、まさに“悲喜こもごも”という言葉がぴったりだ。 中には「おお、それは…

春を探している

まるで季節がワープしてしまったかのような陽気が続いている。ついこの前まで「寒い寒い」とマフラーに顔をうずめていたのに、気づけば上着もいらないような気温になっていて、慌ててクローゼットの奥から春服を引っ張り出す始末だ。朝、天気予報を見て「え…

ChatGPTの画像生成AIが進化している

ChatGPTの画像生成AIがアップデートされたのだが、かなりの性能で衝撃が走っている。 news.yahoo.co.jp 画像の認識力が向上している。さっそく試しに使ってみることにする。 私のアイコン(すだちくん) この画像を使って、chatGPTに指示をしてみる。「この…

ストリートピアノ騒動から考える、寛容という優しさ

大阪・南港にある大型商業施設「ATCシーサイドテラス」に設置されたストリートピアノが、思わぬ形で話題になっている。発端は、運営者によるX(旧Twitter)での投稿だった。「練習は家でしてください」という貼り紙の写真とともに、「こんな掲示はしたくなか…

気持ちが乗らない日

気持ちが乗らないときって、ほんとうにある。いつものようにパソコンを開いて、コーヒーを横に置いて、「さあ書こう」と意気込んでみるものの……何も浮かんでこない。頭の中はモヤモヤ、指先もなぜか動かない。ネタがないわけじゃない。書きたいことは、メモ…

データサイエンティストと名乗る日が来るとは

気がつけば、世の中は「データ」であふれている。SNSに投稿すれば、その一言がデータとして蓄積され、スマホを握れば歩数や心拍数が記録され、ネットショッピングではクリックのたびに行動履歴が残る。どこへ行っても、何をしても、私たちは知らず知らずのう…

卒業式という、不思議な時間

卒業式のシーズンになると、街の空気がどこか華やぐ。袴姿の学生たちが駅のホームに並び、大学の正門前では晴れやかな表情の卒業生とその家族が記念写真を撮っている。毎年この時期になると、学生たちの巣立ちを見送ることに慣れているはずなのに、やはりど…

ネタ帳のはずが、謎解き帳になっている件について

酢語録を書く上で、ネタ探しは常に付きまとう。とはいえ、意識的に「探すぞ!」と気合を入れているわけではない。むしろ、何かの拍子に「これは書ける」とピンとくる瞬間があって、そこで初めてネタになる。だから、日常生活の中でちょっとした違和感や気づ…

炎上はなぜ止まらない? メディアとSNSの負の連鎖

インターネット上での炎上は、今や珍しいことではない。著名人や企業の不適切な発言や行動、一般人の迷惑行為など、さまざまな要因で発生し、SNSやブログ、動画共有サイトを通じて一気に拡散される。そして、そこに批判や誹謗中傷が集中する。いったん火がつ…

穏やかに過ごすための小さな工夫

なんだかイライラすることがある。些細なことなのに、なぜか心の奥でふつふつと怒りが湧いてくる。まるで突然訪れる怒りの波動のように。 例えば、朝の通勤時。車を運転していると、前の車がやたらと遅いと感じることがある。急いでいるわけでもないのに、妙…

セルフレジの世知辛さ

職場のコンビニをよく利用する。日々のちょっとした買い物や気分転換のために立ち寄る場所だ。そんな馴染みの店に、ある日セルフレジが新しく設置されていた。 セルフレジのイメージ レジを担当していた顔なじみの店員さんが、「セルフレジ使ってみます?」…

3月1日、新しい季節のはじまり

今日から3月。カレンダーを見ながら「もう3月か」と時の流れの早さに驚く。ついこの間、新年を迎えたばかりのような気がしていたのに、気づけば冬が終わろうとしている。とはいえ、朝晩の冷え込みはまだ厳しく、コートが手放せるのはもう少し先になりそうだ…

本屋という小さな冒険

今週のお題「本屋さん」 本屋さん ">本屋が好きだ。中学、高校時代は時間があれば本屋に足を運んでいた。何時間でもいられる場所だった。本の紙やインクの独特の匂いに包まれる時間は、それだけで至福のひとときだった。 "> 都会の大型書店もいいが、特に好…

「かわいい」という言葉の重み

先日、何気なくSNSを眺めていると、ある動画が流れてきた。そこに登場した女性がこんなことを言っていた。 「男性って何で“かわいい”って言えないのか」「素直に“かわいい”と言えるだけでモテる」 ふむ、なるほど。確かに「かわいい」という言葉をサラッと言…

祝日にバタバタした話

昨日は建国記念の日。せっかくの祝日なので、のんびり過ごそうと思っていたのだが、朝からとんだハプニングに見舞われた。 いつものように朝のルーティンとして、コーヒーを淹れてスマホを片手にくつろぐ時間を楽しもうとしていた。しかし、その油断が命取り…

文系の力がAI時代をリードする―鍵は「プロンプト力」

ChatGPTをはじめとする生成AIが進化し続けている。文章、画像、プログラム、要約、翻訳……もはや「AIにできること」はどこまで増えるのか、想像もつかない。しかし、その一方で、AIを本当にうまく活用できている人は意外と少ない。なぜか? それは、AIを動か…

最強寒波:鉄道の底力に感謝した日

昨日は、この冬最強と言われる寒波が襲来した。全国的に冷え込みが厳しく、各地で交通機関の混乱が相次いだ。特に東海道新幹線は大幅にダイヤが乱れ、ニュースでも大きく取り上げられていた。そんな中、岡山から山口への移動が控えていた。今回はもともと、…

ポトマック川の悲劇、再び―42年後に蘇る記憶

ワシントンD.C.のポトマック川で航空機事故が発生した。アメリカン航空の小型旅客機と米軍のヘリコプター「ブラックホーク」が空中で衝突し、両機は川に墜落し、多数の犠牲者が出ている。 このニュースを聞いて、1982年1月13日に同じポトマック川で起きたエ…

今年の節分は2月2日

今年の節分は2月2日。あれ、節分って2月3日じゃなかったっけ? 実は、節分の日付は固定ではなく、年によって変わることがある。 そもそも節分とは、季節の分かれ目、つまり「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日を指す言葉だ。しかし、現在では主に立春の…

社会基盤の老朽化と私たちの暮らし

埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故は、多くの人にとって衝撃的な出来事だった。走行中のトラックが突然、地面ごと崩れ落ちる―まるで映画のワンシーンのようだが、これは紛れもなく現実である。そして、この事故の原因とされているのが「下水道管の破損」だと…